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金属アレルギーのパッチテスト後、何に気をつける?陽性物質とアクセサリー選び

こんにちは!Roloアクセサリーのakiです。

先日、LINEでこんなご連絡をいただきました。

硫酸ニッケル、重クロム酸カリウム、金チオ硫酸ナトリウム、塩化コバルト、p-tert-ブチルフェノール、ホルムアルデヒド樹脂にアレルギーがあります。
他店で買ったサージカルステンレスも合わず、膿んでしまいます…

これらは、パッチテストで分かるアレルギー物質名。パッチテストの結果については、まず担当の皮膚科医から説明を受けることが大切です。

そのうえで

「じゃあ私は普段、何に気をつければいいの?」
「アクセサリーを買うとき、実際どこ見ればいいの?」

実際、私もずっと金属アレルギーに悩まされてきましたが、分かればわかるほど疑問も増えます。

そこで今回は、パッチテストで分かったアレルゲンが、実生活やアクセサリー選びとどう繋がってくるのか調べてみました。

チェックポイント
  1. 結果の試薬名は「何のアレルギー」を示すのか
  2. その物質が日常のどこに使われているのか
  3. アクセサリーでは「地金・合金・メッキ・下地・接着剤」を確認する
  4. 陽性だからといって、関連するものをすべて自己判断で避けるのではなく、実際の症状との関連を皮膚科で相談する

このアレルゲン、何者?

硫酸ニッケルはニッケルアレルギーを見るための試薬、塩化コバルトはコバルト、重クロム酸カリウムはクロムを見るために使われています。

検査で出る名前これは何?身近に使われてるもの
硫酸ニッケルニッケルピアス、時計、ボタン、ファスナー、鍵など
重クロム酸カリウムクロム革製品、靴、セメント、塗料など
金チオ硫酸ナトリウム金金製アクセサリー、歯科金属など
塩化コバルトコバルトアクセサリー、金属用品、化粧品、革など
PTBPホルムアルデヒド樹脂接着剤系アレルゲン靴、バッグ、ベルト、接着剤など

日本皮膚科学会のガイドラインでも、
パッチテストは接触皮膚炎の原因アレルゲンを調べる検査として位置づけられています。
接触皮膚炎診療ガイドライン 2020

① 硫酸ニッケル → 「ニッケル」

これは一番アクセサリーに直結。ジュエリーアレルギーではニッケルとコバルトが代表的な原因です。
参考:Dermnet®

そしてニッケルは他にも・・

  • 時計
  • ファスナー
  • 鍵
  • 硬貨
  • 金属製の日用品

など、かなり広く存在します。
あと食品にも自然に含まれています。

ただ、
「ニッケル陽性だったから、今日から低ニッケル食にする」ではありません。

重症のニッケル接触アレルギーなどで低ニッケル食が検討されることはありますが、DermNetもその有効性は不明確としています。

皮膚科医と症状との関連を見て考える領域なので、食事制限は、通常そこまでしなくていいってことです。

「パッチテスト陽性=その金属を含む食材まで全部避ける」ではない。

② 重クロム酸カリウム → 「クロム」

「クロムならステンレス?」と真っ先に想像しますが、日常生活で意外に多いのは、革製品。

クロム塩は革のなめしに広く使われていて、
靴、手袋、バッグなどが接触源になることがあります。

さらにセメント、モルタル、塗料、防錆材
などにも関係します。参考:Dermnet®

これは、私も実体験があって

  • 時計でかぶれる
  • 革ベルトでかぶれる
  • 革靴で足がかゆい

みたいなのも、金属アレルギーだったりします。

③ 金チオ硫酸ナトリウム → 「金」

これすごく分かりにくいんですが「ゴールド」です。

金アレルギーは、耳たぶ、指、首など金製ジュエリーが接触する場所に皮膚炎として出ることがあります。
また歯科用の金も関係することがあります。参考:Dermnet®

ただ、金については注意点があり…

パッチテスト陽性と実際の症状との関連性を慎重に見る必要があるとされています。
参考:Dermnet®

だから、

金が陽性 → 金製品がすべてダメな訳でもない

実際にどの製品を着けたら、どこに症状が出るか?の照合が必要、になります。

④ 塩化コバルト → 「コバルト」

これもアクセサリーとはかなり関係が強いですね。

コバルトはジュエリー、鍵、硬貨、金属用品のほか、アイシャドウ・チークなどの化粧品、革製品、靴、歯科合金、医療用インプラント、顔料などにも存在します。

そしてコバルトは、ビタミンB12が面白い。

ビタミンB12=コバラミンにはコバルトが含まれています。

コバルト接触アレルギーがある人の一部では、B12サプリや注射によって全身性接触皮膚炎などが起きることが報告されています。参考:Dermnet®

金属アレルギーは、皮膚に触れる金属だけが問題ではないこともあります。

ただここも注意してほしいのは、「コバルト陽性だったから、ビタミンB12を避けよう」ではなくて、症状がある場合には医師と確認をしてください。

⑤ p-tert-ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂

主に接着剤に使われるフェノール系樹脂のことで、
革とゴムを接着するのに向いているため

  • 靴
  • バッグ
  • ベルト
  • 時計バンド

などで問題になることがあります。

他にもDIY用接着剤、ゴム製品など。

これ、今回いちばん意外ではないでしょうか。
もう金属ですらない。

しかももう一つあって、

「ホルムアルデヒドアレルギー」と
「PTBPホルムアルデヒド樹脂アレルギー」は別物。

DermNetでは、「この樹脂で主な感作物質となるのはp-tert-ブチルフェノールであり、ホルムアルデヒドに陽性だからこの樹脂にもアレルギー、またはその逆、と単純には言えない」とされています。参考:Dermnet®

ややこしすぎる。。。

「陽性を全て避ける」ではない

それぞれの物質について掘り下げてきましたが、ここはすごく大切なことです。

パッチテストには陽性・陰性だけでなく反応の強さもあって、刺激反応などもあり得ます。

そして陽性だった物質が、今起きている皮膚炎に本当に関係しているかを見る必要があります。

金は特に、「金チオ硫酸ナトリウムのパッチテスト陽性でも、実際の皮膚症状との関連性が低い例がある」とされています。

だから、

「陽性だったものを生活からすべて排除したらいい」ではなく「どの商品に触れたとき、どこに症状が出たかと照らし合わせる」ことが大切

思い込みで極振りしないことが大切ですね。

アクセサリーは何をチェックする?

「ニッケルフリー」とか「金属アレルギー対応」アクセサリーを選んでも、個人差がある理由の一端が少し分かってきた気がしませんか?

アクセサリーを選ぶときは、この5つを確認

判断材料は、そういう包括的な言葉を掘り下げて、

  • 地金(アクセサリー本体の素材)
  • 合金に含まれる金属
  • メッキ・コーティングの種類
  • メッキの下地
  • 接着剤の使用

ここまで見る必要が出てきます。

特に金属アレルギー対応と謳われやすい「 Silver925/サージカルステンレス/K18・K10/メッキ仕上げ」とさっきの5アレルゲンの関係は、以下のようになります。保存版としてぜひ活用してください↓↓

Silver925

ニッケル|△ 製品による
Silver925は銀92.5%+その他の金属7.5%。一般的には銅が多いですが、合金の詳細は製品によって異なります。

クロム|△ 確認が必要
一般的な主要成分ではありません。ただし、表面処理なども含めると素材名だけでは一律に判断できません。

金|基本なし
Silver925そのものに金は含まれません。ゴールドメッキなど、表面加工をしている場合は別です。

コバルト|△ 製品による
一般的なスターリングシルバーの主要成分ではありませんが、詳しい合金組成は製造元への確認が必要です。

PTBPホルムアルデヒド樹脂|基本なし
Silver925そのものとは別物。ただし、石やパールなどを接着している製品では接着剤の種類も確認対象になります。

POINT
「Silver925」という表示だけで分かるのは、銀が92.5%であること。
残り7.5%や表面加工まで知りたい場合は、さらに確認が必要です。

サージカルステンレス(例:316L)

ニッケル|○ 関係あり
316Lにはニッケルが含まれています。

クロム|○ 関係あり
クロムも316Lを構成する主要な金属のひとつです。

金|基本なし
ステンレスそのものに金は含まれません。ゴールドカラーのメッキなどを施している場合は別です。

コバルト|△ 種類による
316Lの代表的な主要成分ではありませんが、ステンレス鋼にはさまざまな種類があります。

PTBPホルムアルデヒド樹脂|基本なし
ステンレスそのものには関係しません。接着パーツがある製品は別です。

POINT
サージカルステンレスは「ニッケルを含む素材」です。
ニッケルやクロムを含みながら、耐食性が高く金属イオンが溶け出しにくい性質があります。

↑ここは今回の「サージカルステンレスでも合わなかった」に直結するから、かなり大事なポイントです。

K18・K10

ニッケル|△ 合金による
金以外の部分に何を混ぜているかで変わります。特にホワイトゴールドではニッケルを使う製品があります。

クロム|基本なし
一般的な金合金の主要成分ではありません。

金|○ 関係あり
K18は75%、K10は約41.7%が金。金に陽性反応がある場合は確認したい素材です。

コバルト|△ 合金による
一般的な主要成分ではありませんが、合金の配合によって異なります。

PTBPホルムアルデヒド樹脂|基本なし
金合金そのものとは関係ありません。接着加工された製品では別途確認が必要です。

POINT
「K18だから金属アレルギーになりにくい」と一括りにはできません。
金そのものに反応する人もいれば、混ぜられている別の金属に反応する人もいます。

メッキ・コーティング製品

ニッケル|△ 下地・地金による
表面が金やロジウムでも、その下のメッキ層や地金にニッケルが使われている場合があります。

クロム|△ 地金・加工による
表面の色だけでは判断できません。

金|○ ゴールドメッキなら関係あり
表面に金を使用します。金アレルギーがある場合には確認対象になります。

コバルト|△ 地金・加工による
表面表示だけでは分からない場合があります。

PTBPホルムアルデヒド樹脂|△ 製品による
メッキそのものではなく、装飾パーツなどに接着剤を使っている場合に関係する可能性があります。

POINT
メッキ製品は
「表面の金属 → 下地メッキ → 地金」
という複数の層になっていることがあります。「ゴールドカラーだから金だけ」「ロジウムだからロジウムだけ」とは限らないのがポイントです。

だから、Silver925だから安心、サージカルステンレスだから安心、K18だから安心、と素材名だけで一括りにはできません。

同じ素材名でも、合金の中身や表面処理、下地メッキなどによって条件が変わるためです。

パッチテスト結果をもらったら、これを聞いて帰ろう

結果用紙を「ふーん」で終わらせないための質問リストを6つ作ったので、行く前にチェックしておくとテスト結果の理解が深まると思います。

  • 私は、何の物質に陽性ですか?
  • この試薬名は、実際には何へのアレルギーを意味しますか?
  • 今の症状と関係してる可能性は高いですか?
  • 普段なにを避けた方がいいですか?
  • アクセサリーは、何を確認すればいいですか?
  • 食事や薬・サプリまで注意する必要がありますか?

パッチテストは「あなたは○○アレルギーです」と名前をつけてもらうためだけじゃなく、

自分の生活のどこに原因があるのか探す手がかり。

結果を知ったあとに、
「じゃあ何を避ければいい?」
「何なら選べる?」

まで分かったら、日々の選択に活かせると思います◎